はじめに

しまねソフト研究開発センターは、県内企業が地域課題を解決するサービス・製品を開発する支援を行うため、IoT・AI関連機器の整備を行い、事業創出に取り組んでいます。
今回は、その中でも、当センターで整備している機器の共同利用についてのご報告となります。

このたび、株式会社日立メタルプレシジョン様とアイトラッキングシステム(Tobii Proグラス2)の共同利用を行いましたのでご紹介いたします。

経緯

株式会社日立メタルプレシジョン様は、社内の改善活動の一環として、平成30年1月にITOCで開催しました【KAMIARI HACK!#1】にご参加いただきました。

その際、ITOCminiLabの機器を知っていただき、特にその中でもアイトラッキングシステムについて関心を持っていただきました。

その後、実際に社内でITOCminiLabの機器を体験していただき、活用検討する中で共同利用が実現しました。詳細は以下をご覧ください。

共同利用内容

熟練者作業の早期伝承ツールとしてアイトラッキングシステムを活用する。

熟練者作業は以下の業務です。

①外観検査工程の標準作業要領ツールとして利用(視線付きの動画マニュアル)
②同工程での目視検査の習熟度確認として利用
③溶解工程の坩堝の炉体傾動操作と視線の関係性を把握するのに利用

成果

◆外観検査工程にて検査員の作業視線データを取得

検査員10名の視線データを取得し、瞬きの回数・量、直視の状況などがよく分かり、周辺視目視検査の習熟度について理解することが出来た。

◆溶解オペレーター坩堝傾動時の視線データを取得

溶解炉担当者1名で試行し、視線データが取得できることがわかった。

機器利用の感想

  • 作業視点データ取得
    視力合わせが難しい。
    拡大鏡を通しての作業であり、眼鏡の下の黒い淵(センサ)が気になる人が多かったため、普通の作業状況とは異なっていたと考えられる。

  • 坩堝傾動時の視線データ取得
    めがねが気になり、無意識に手で直そうとするしぐさが目立った。
    場所が狭いため、動線やPCの設置場所等の事前確認、確保が必要だった。
    同時に作業動作の動画も必要であり、カメラが複数台必要だった。 

課題

 溶解オペレーターの操作は1クールが長いため、1人分のデータ取得しか行えなかった。
 複数人のデータ取得が出来れば尚良かったと考える。

今後の展開

  • 視線データを見てディスカッションの実施。
  • 操作の統一化(マニュアル化)を進める。

上記2つの実施、さらに、作業効率、生産性向上に向けた取り組みを行いたいと考えている。

まとめ

今回の、株式会社日立メタルプレシジョン様との共同利用は、視線のデータを社員で共有することで新たな発見もあり、価値のある実証となりました。

このように現場で最新機器である(Tobii Proグラス2)を利用してもらえることは、県内企業の皆様のお役に立てると感じています。

今後も、より多くの県内企業の方々に、IoT・AI関連機器の共同利用を行って頂けるよう取り組んでいきたいと思います。