ソリューションステージ

見学者:株式会社ワコムアイティ 高野 誠也

見学展示会概要

平成29年3月9日(木)~10日(金)の2日間にわたり、ザ・プリンスパークタワー東京B2Fで開催された「ITPro EXPO 2017」へ参加しました。ITPro EXPOは、様々な業種のデジタル化が進む中で活躍が期待されているAIやIoTなどの最新技術を各企業がブースを設け、紹介・サービスの発展を目的とした展示会です。今回、地方の技術者として、ITの流行や最新技術の現場の声を自社へフィードバックするため、「若手エンジニアITトレンド調査委託企業の募集」へ応募し、採用いただきました。

2日間での調査で印象に残った会場の様子、ブース・セミナーを私自身の所感を含め報告します。

報告

会場の雰囲気

会場に入り、まず感じたのはブース間の距離の近さでした。タワー地下空間で行われていることもあり、ブース間の隙間はほぼゼロで、なおかつどの企業も想像以上に売り込みが激しく、客引きの隙間を縫って歩いているだけで何度もぶつかりそうになりました。
また、各企業が配るノベルティの種類も特徴的で、ありふれたボールペンから、入浴剤、ホワイトデーが近かったためチョコレートをプレゼントするなど企業ごとの工夫を見ることができました。1日目と2日目で企業ごとに着るユニフォームが変わっていたり、展示ブースでスタンプラリーを行ったりと、文化祭中の学校の廊下を歩いているような、お祭りの雰囲気がありました。

会場全体写真

ソリューションステージ ~AIからIoTまで 今知るべきIT最新動向~

会場正面の中央ステージでは常時ソリューションステージが開催されており、私が見に行ったタイミングでは日経コンピュータ編集長による最新ITの動向の様子を書面ではなく口頭で聞くことができました。長年ITのトレンドを追ってきた実績があり、自信を持った喋りには説得力を感じさせられました。

今のITトレンドは「AI」、「IoT」、「セキュリティ」、「クラウド」、「FinTech」の5つがキーワードとして特出しているようで、特に読者アンケートでも「AI」、「IoT」への期待は強く、あと1、2年はこの勢いが続くだろうという見解でした。また、

  • AI・・・「画像認識」・「動線分析」での工場作業などの見える化
  • IoT・・・「LPWA」の革命による低コスト化、「エッジコンピューティング」+「ディープラーニング」の有用性

などそれぞれがどういった技術と絡んでいるのか分かりやすく聞けたため、今回の調査で押さえておくべきキーワードとして、どのブースから回ろうか目移りしていた私の判断材料となりました。

この他にも、ソリューションステージでは傍聴者からの質問に答えてくれる「KEYNOTE Ask the Speaker」という企画も行っており、各界の著名人と直接話ができる絶好の機会でした。

展示ブース ~FUJITSU Security Solution SMARTACCESS~

私の所属している会社では手書きサインを行動的特徴として用いた認証技術を扱っているため、静脈認証のデモを行っていた富士通のブースに興味を持ちました。数センチ四方の小さなセンサーに手の平をかざすと数秒ほどで、静脈を読み取り、個人を識別するというもので、実際に私もデモを体験しログインの精度を見ることができました。広報の説明員に質問を繰り返し困らせていると、開発者の方に担当を代わってもらえ、様々な工夫点を聞くことができました。

富士通ブース

中でも面白いと感じたのが、マウスの握り手部分に認証センサーを取り付けたデバイスで、こちらを使えば認証のためだけにUSBポートを新たに埋める必要はないという点でした。また、近年広まりつつある顔認証に対しては、姿勢を正しセンサーの正面を向かないと、正しく認証されにくいというデメリットがある点を指摘されていました。私自身普段、寝ころびながらPCを使うことが多いので、横になりながら利用できる認証というのは魅力的に感じました。このようにユーザ視点で新技術に触れ、質問に答えてもらえるのはこういった展示会のブースならではの魅力だと感じました。

セミナー ~セキュリティ啓発..ログの「監視」と「管理」を知る~

セミナーへの参加にはそれぞれ予め事前登録が必要となります。登録期間は開催直前まで受け付けていましたが、1ヶ月前に既に満員で受付を締め切るセミナーもありました。ただし、当日でも席の空き次第では入場することができるため、間に合わなかったセミナーでも当日の会場をチェックしてみることをお勧めします。

セミナー講演では、特に印象に残ったインフォフラッグ株式会社代表取締役の神戸仁氏のセキュリティ啓発セミナーを紹介したいと思います。
このセミナーでは、IT利用者やセキュリティの将来を憂える発言が多く、ある種の怒りのようなものすら感じられました。冒頭に予め「このセミナーでは商品の紹介をしません」と言ったことが特徴的で、実際終始セキュリティに対する警告を行っていました。内容としてはセキュリティの強化にはログを整理することが必要で、ログさえ正しく見ることができれば原因は必ず掴めるはずというものでした。ただし、システムのログは複雑化しているケースが多く、いかにして要らないログを捨てるかを紹介していました。
他のセミナーでは現状の問題点を訴えたうえで、自社の商品を売り込むパターンが多かったため、このような啓発セミナーはセキュリティ危機への訴えの「本気」を感じることができました。特に、ファイル共有ソフト「Winny」開発者が逮捕されたことに対しての「包丁を使った殺人事件で包丁職人が罪に問われるのか?」という言葉には、普段意識していなかったITの利用者としての責任を感じさせられました。
まず利用者自身がリスクを意識すること。危機感を持つこと。今回の調査で私自身が最も知りたかったセキュリティリスクとの付き合い方を考えさせられるセミナーでした。

所感

全体を通して、「分かりやすい」プレゼンが多いと感じる展示会でした。技術者が専門的な用語で解説するプレゼンは少なく、広報がユーザ視点で疑問に答えるといったスタイルが多かったように思います。

今までITと縁のなかった業種の顧客が増えたことで、そういった分かり易さが求められているのではないかと思いました。今後、さらに多様な分野のビジネス・産業のデジタル化が進み、ITがより身近なものになるという期待を感じています。また、そういった有名企業のプレゼンスタイルやテクニックを間近で見ることができたのは今後の参考となりました。

1人での出張という面でも普段の業務ではなかなか機会がないため、貴重な経験となりました。今回、機会をいただけたことに感謝します。また、今後も地方の若手のチャンスとなる企画が拡大されていくことを期待しています。

会場外観

ITOC記入情報