見学者:株式会社島根情報処理センター 小倉 由弘

見学展示会概要

平成29年6月28日(水)〜30日(金)の3日間にわたり東京ビッグサイトにて開催された「第1回AI・人工知能EXPO」という展示会へ2日間参加しました。この展示会はAI専門の展示会で、自然言語処理やディープラーニングなど、各社様々なAIを展示されていました。

今回、他社のAI導入事例を参考に、弊社での今後のAI活用について検討するため、「若手エンジニアITトレンド調査委託企業の募集」へ応募し、採用いただきました。

報告

展示会全体

AI・人工知能の展示会で、同時開催されていたコンテンツ東京よりも人が多かったように感じました。チャットbot、画像解析、ビッグデータの分析・予測をするAIが多く見受けられた印象でした。
また、セミナー会場と展示会場が離れており、往復の移動だけで30分消費してしまいました。
NAOやバーチャルロボット、メイドさんがいたりして、顧客獲得のために必死になっている企業側の苦労が見られました。

業界トレンド

チャットbotや画像やビッグデータの分析、予測技術があり、様々な分野に応用出来るということもあり、人工知能は非常に注目されていると感じました。
また、会社として人員の不足もあり、人工知能でカバーできる範囲をカバーしていきたいということも注目されている理由の一つなのではないかと思いました。

注目したサービス

PLENGoer Robotics様

Pepperやアマゾンエコーの登場により、「一家に一台のロボット」という未来も見えてきていると私自身感じています。この企業では「一人に一台のロボット」となるサービス・ロボットに向けて取り組んでおられ、その先進となる『PLEN Cube』が展示してありました。

展示スタッフの方とお話ししたところ、音声、ジェスチャーで操作可能なので、スマホのように手に持つことが無く、無駄な手間を省くことができるそうです。通信手段も豊富で、赤外線によるエアコン、テレビのリモコンとしての活用であったり、Wifiを使用して監視カメラとしても利用することができ、身の回りのサポートをしてくれるデバイスの1つとして活躍してくれそうな気がしました。実際にデモではLEDの点灯消灯、音楽再生を音声のみの操作で行われていました。

また、サーボモーターが4つ内蔵されており、愛くるしい動きとサーボモーター独特の音が生きているかのような演出をしていました。この点が他の音声認識デバイスと違い、生きているかのように動いてくれるため、話しかけやすい気がしました。この動きは前商品である「PLEN2」という2足歩行ロボットの開発から培った技術で、そのロボットも素晴らしく、ローラースケートやスケートボードができるため、非常に運動能力、バランス力に優れているということがうかがえます。過去の開発経験を活かして、愛くるしい動きを実現可能にしているように感じました。

この製品に関しては、下記のような欠点が挙げられます。

  • LTE未対応のため外での使用範囲・機能が限られている。(今後対応予定とのこと)
  • 稼働時間が最大4時間と短い(FULL稼働の場合は1時間なのでさらに短い)

スマートフォンや他のロボットにしても、消費電力の問題は避けては通れない道だと感じました。

弊社のIoT推進のために今回聞いたことを踏まえて、技術の発展に努めたい。
お値段は5万円程度で、最近のスマホが10万円程度なので、それに比べるとお安くなっています。
一人に一台といえば近年はスマホが主流になっていますが、近い未来一人に一台のロボットが実現するかもしれません。

株式会社システムズナカシマ 様

こちらではAIを利用した「手書き図形の認識」「売り上げ予測」「マルチウェア検出」「ドローンの物体検知と自動飛行」「分析と予測」の紹介がありました。

その中で私が個人的に気になったのは「ドローンの物体検知と自動飛行」です。
組み込みAI用モジュール「NVIDIA Jetson TX1」でCaffeとSSDを利用したリアルタイムな物体検出をされているらしいです。

  • Caffe:画像認識に特化したディープラーニングフレームワーク
  • SSD:Single Shot MultiBox Detector←Solid State Driveではないらしい。(Mはどこへ消えたのか…)

上記が画像認識している部分で、そこから得られた情報をもとに本体(ドローン)の制御基盤である「ArduPilot(フライトコントローラー)」にて自動飛行を行っておられました。

各種チャットサービス

  • 株式会社シーエスレポーターズ 様
    AR/VR/MRメインで仮想空間のAIとの会話を実現するサービス。
  • モビルス株式会社 様
    LINE等SNSサービスを情報発信以外の手段として活用するために、お問い合わせ機能を追加するサービス。
  • 能登印刷株式会社 様
    道の駅等にディスプレイを設置し、ルート検索や観光地の見どころなどを教えてくれるサービス。
  • 株式会社SHIFT PLUS 様
    主にスマホゲームで通話サポートへの問い合わせに抵抗がある方向けにチャット形式でお問い合わせを実現する。ブラウザ実装なので様々なサービスに実装可能
  • 株式会社モノゴコロ 様
    美少女(バーチャルロボット)との自然な会話が実現していました。
    AIからの問いかけがメインで、シナリオ形式のAI主体会話になっていたので、スムーズな会話に見えました。

私がうかがった以外の会社でもいろいろなチャットbotが紹介されていましたが、それぞれが何かに特化した(得意とする)ものがほとんどで、チャットbotの違いを見ることができました。

個人的にはチャットbotが繁栄することはとても喜ばしいことで、ゲーム上の美少女と自然で自由な、選択肢の存在しない会話が成立するのではないかととても楽しみにしています。

セミナー

「個別化」された現代におけるビッグデータ及びAI活用と協創の世界

講師:楽天株式会社 楽天技術研究所
代表 森 正弥 氏

このセミナーの内容として、下記のようなことを仰いました。

機械学習を始めるうえでデータサイエンティストの不足は否めない。
プログラマである既存社員に機械学習をさせたとある大企業があったが、システム開発とは違い、AIはモジュールにならないため、モジュラー型の発想にとらわれている既存社員では機械学習が難しいことが判明した。そのため、機械学習を専門に学んできた若い学生の力が必要である。

販売者も購入者もロングテールになってるため、想像もつかないようなものが売れている。
例えば甲冑を買う人が実際には存在する。人気商品を売り出そうとする販売者側の人間が、甲冑を売り出そうとするであろうか?私であれば売り出そうと思わない。しかしながら、この甲冑は6か月予約待ちのヒット商品なのである。甲冑を欲しいと思う購入者は意外と存在する。

「私なら買わないから販売しない」ではなく、自分ひとり、または同じ会社の人間が必要としていないからといって誰も買わないわけではないし、そんな商品を必要としている人がいるかもしれない。

つまり、人が売れ行きを予測することは困難であることがうかがえる。人工知能であれば様々な顧客のデータから何人の人がその商品を買うのかある程度予測することができる。

工場のラインに関しても、商品に欠陥があるのには毎回何かしらの理由がある、その理由を機械の動きや工場内の状態から人工知能が原因を突き止めてくれるはずだ。
上記のような理由が人工知能の需要にかかわってきている。

「ゲームで勝つことはできても、ゲームを作ることはできない。」
難しい処理を1つ1つ丁寧にこなしていくのがCPUで単純作業を並行でいっぱいこなしていくのがGPUであるのと同じように、人間がCPUならAIはGPUなのかもしれない。
つまりトレンドを作り出すのは人間で、量をこなしていくのはAIということだと思う。

私はこのセミナーを聴いて、AIの需要が高くなってきていることをよくわかることができました。活用事例に関してもいくつか例を教えていただき、大変ためになるお話でした。 

所感

今回の第1回AI・人工知能EXPOに参加したことで、今まで見ることのなった他社の製品を把握することができました。こういった展示会に参加するのは初めてで、人の量に圧倒されて酔ったりしましたが、それだけAIが注目されているということがわかり、自社でもAIに力を入れていく必要性を感じました。

今後は、今回の展示内容を踏まえて収集した情報を自社サービスや業務の効率化へ生かしていきたいと思います。

ITOC記入情報

今回の報告書は、「平成29年度若手エンジニアITトレンド調査委託企業の募集」として島根県内IT企業に依頼しました。