視察者:ティーエスケイ情報システム株式会社 吉本 茜

1.見学展示会概要

 2018年10月17日(水)~19日(金)と三日間東京ビッグサイトにて開催された日経TECH EXPO 2018に参加しました。日経TECH EXPOは、AI、IoTなどの最先端テクノロジーと建設、金融、ヘルスケアといった様々なビジネスとの境界領域で起こりつつあるイノベーションを体感することのできる展示会です。各ブースでの展示のほか三日間で百回以上ものセミナーが開催されました。

今回は私が参加した10月18日(木)、19日(金)のセミナーと展示製品に関してご報告いたします。

2.報告

(1)会場の雰囲気

会場の様子

会場の様子2 

 広い会場の中に働き方改革や医療、金融、AI、IoT、クラウドなどそれぞれ分野に分かれてブースが配置されており、一日では回りきれないほど製品・サービスが展示されていました。企業によってブースのレイアウトやデザインが差別化されており、アピールするための工夫が凝らされているようでした。また、どのブースもノベルティやチラシの配布を積極的に行っており、お菓子などの食べ物のノベルティを進んで貰っている方が多い印象を受けました。個人的には、チラシを沢山貰うのでトートバッグを貰えたところが嬉しかったです。
 基本的にチラシやノベルティを持った方が声がけを行い、それを受け取った方を展示ブースへ誘導するスタイルで、私自身も説明員の方にまっすぐ向かったブースもあれば声掛けいただいて聞いた展示も多々ありました。
 インテルのブースでは、Xeonと正しく製品名を読めたら、ノベルティをプレゼントします、といったユーモアのあるブース誘導をされていました。同社はセミナーブースでお笑い芸人のジョイマンさんが製品名を交えたトークショーをされていて、とても目を引きました。

(2)業界のトレンドについて

 働き方改革、IoT、AI関連サービスが特に多く展示されている印象でした。特に働き方改革関連ではリモートワークのためのセキュリティ、Web会議のシステム、事務作業のデジタル化など多岐に渡る製品、サービスがありました。そのほか全体を通して「業務の効率化をはかる」目的があったと思います。

(3)セミナーに関して

 開催されたセミナーに関しては事前登録することができ、事前登録バーコードを提示すれば、スムーズに着席することができます。事前登録していない方々の待機列もありましたが、事前登録しておけば、机がセットの座席に座ることができ、メモが容易でした。今回、受講したセミナーのなかから、特に印象的だったものをご報告いたします。

  • 「健康・医療戦略」の一環としての「次世代医療基盤法」について
    講師:内閣官房 健康医療戦略室 参事官 田中謙一氏

 医療分野における研究開発を推進するための「次世代医療基盤法」について、施策内容や期待できることなどについてお話を聞くことができました。

 これまで、全国レベルで利活用が可能な医療情報データは、レセプトが基本であり、診療行為の実施結果に関するデータの利活用は自由にできない状況でした。医療情報のデータは医療機関が民間中心で分散して保有されているため、また個人情報保護法改正により第三者への開示が認められていないためです。

 そういった状況でしたが、今年5月より次世代医療基盤法が施行されました。これは、医療分野の研究開発促進を目的としており、データを匿名化することで個人情報を保護しつつ研究開発に使用可能にするものです。医療機関は本人が拒否しない限り、設定情報を提供することができます。そのデータは医療機関から匿名加工を行う国の認定事業者へ渡され、高いセキュリティのもと匿名化されます。匿名化されたデータは医療分野の研究開発であれば産官学どの分野でも利用することができます。具体的には、治療効果の効率性の分析による患者負担の軽減や医薬品の市販後の調査の高度化、効率化等を想定しているそうです。

 お話のなかで、医療情報データの認定事業者については高いセキュリティを担保していると強調されており、この施策のポイントであることを感じました。この点が信頼できない状況だと、医療情報データを提供したくないと病院、患者の方に判断されてしまいます。同意を得るための分かり易い説明が必要だと感じました。

  • 「感染報告はもう不要!経営層に「防御しました」と報告できる効果的なマルウェア対策」
    講師:日立ソリューションズ セキュリティソリューションズ 

最初に、従来型マルウェア対策の限界についての紹介がありました。様々なウイルス対策製品で提供されているパターンマッチグ方式では、知られているマルウェアしか防げず、未知のマルウェアに対応することができません。その上マルウェアの96%は使い捨てで、攻撃の都度内容を変えてきます。そのため、発生した脅威を未然に防ぐ必要があります。

 そこで同社が勧めるのが「Cylance PROTECT」です。Cylance社の提供するこの製品は、機械学習による先進的な検出エンジンにより「既知」「未知」を意識せずにマルウェアを検知します。マルウェアが実行される前に検知でき、そのうえ軽量スキャンのため業務に負担をかけることはありません。実際にスキャン実行中のタスクマネージャーを見せてもらえましたが、CPU負荷も低かったです。

 最後に、実際のマルウェアを使ってウイルス対策製品の比較デモがあり、とても分かり易かったです。

社名は伏せられていましたが、他社製品の場合は、確かに従来型のマルウェア対策では、パターンファイルに載っていないものは駆除できないため、全てのマルウェアを駆除できていませんでした。Cylance社の製品の方は少し時間がかかっていましたが、全部駆除できていました。

 エンドポイントセキュリティというとパターンファイル更新というイメージであったため、とても勉強になりました。また、実際にデモでマルウェアを実行、検知する画面を製品別に紹介してくださったため、他社製品との違いについて容易に理解することができました。

(4)興味を持った製品について

 働き方改革ブースで、印象的だった製品を紹介します。(株)NTTドコモの「オフィスリンク+」は、同社のセミナー内で紹介があり、とても便利だと思い展示ブースを訪れました。「オフィスリンク+」とは全国のFOMA/LTEエリアをオフィスの内線エリアとして利用できるサービスで、クラウドで電話帳を一元管理することができます。内線電話をそのまま携帯へ転送できるため、電話取次する方の負担を軽減できる点、クラウドで電話帳を管理するため、新入社員の方の携帯の設定はアプリをインストールするだけで完了できる点がとても便利だと思いました。

 展示ブースにおいて、スマートフォン画面とパソコン上のコンソール画面を見せていただきました。パソコンのコンソール画面は、社内、社外などの項目にタブが分かれており、とても分かり易いUIでした。スマートフォン側はホーム画面にインストールされた「オフィスリンク+」があり、電話がかかってきた時はキャリア携帯の通知画面ではなくオフィスリンク特有のポップアップが表示されます。転送先を設定しておけば、出られない場合ボタン一つで転送することができます。このため、お客様に折り返し電話をする手間を省略することができます。また、携帯電話からお客様へ電話する場合、会社番号でかけることもできるそうで、便利だと思いました。お客様に携帯電話番号を知られることがなくなります。こういった携帯番号の内線サービスは、NTTドコモ以外の会社からも提供されており、他社比較して見てみたいと思いました。

 展示ブースで実際の画面を見ることができ、質問にも答えて貰えて、インターネット上の情報だけでは得られないことを知ることができました。数多くの製品デモを一堂に体験できるのは、展示会だからこそだと思います。

所感

 今回の展示会参加で、沢山の製品デモや最新技術の動向を知ることができ、貴重な体験をすることができました。なかでも、私は業務のなかでお客様にシステムの操作説明をすることがあるので、各ブースでのデモが大変参考になりました。困っている点や気になる点など状況を聞き出しつつ簡潔に説明してくださったので、よく記憶に残っています。このように、製品知識や業界動向以外にも得ることがありました。今後の業務に活かしていきたいと思います。

ITOC記入情報

今回の報告書は、「平成30年度若手エンジニアITトレンド調査委託企業の募集」として島根県内IT企業に依頼しました。