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パネルディスカッションレポート(1)

パネラー & 会場の様子

パネラーの様子

 

会場の様子1 会場の様子2 会場の様子3

 

パネルディスカッションの様子

(株)ERISA との提携に関して、自社の経営戦略における当事業の位置づけ、 また自社事業へのシナジー効果について教えて下さい
(株)デジタルガレージ
豊 原
 DG Lab は、AI、ブロックチェーン、データを使ったマーケティングに強み を持っており、新規事業開発の重点分野の一つとしてヘルスケア分野を掲げ ています。(株)ERISA の MRI 画像の解析技術と DG Lab が持つ技術とを掛け 合わせることで、業界を変えていけるビジネスが産まれると期待しています。
メディカル・ケア・サービス(株)
中 本
 今回のプロジェクトには次の三点を期待しています。
 一点目は、一緒に協力できるパートナー関係の構築。今後、新規事業開発や投資を行うにあたり、単に IPO を目指すだけではなく、当社のリソースを使いながら一緒に協力できるパートナーを見つけたいと考えています。
 二点目は、自社のビジネスモデルの再検討。当社の売上の多くは介護報酬によるものですが、今後の国内市場を見ると、どうしても限界が見えてきます。こうしたこともあり、2014年から海外事業を進めています。特に、 中国の富裕層の数は日本人以上とも言われており、健康意識も高いです。 そこで、当プロジェクトの技術を中国市場に展開していけるのではと期待しています。
 三点目は、社会課題の解決です。認知症についての啓蒙など全国の介護施設の運営を通して行っています。認知症になることが悪いことではない、 否定的には捉えてはいけないと考えています。認知症を患う人と共に過ご せる環境づくりという共生社会の実現に加えて、認知症の予防への展開に 向けて取り組み、自治体が抱える社会保障費の軽減につながる提案も行って いきたいです。
(株)島津製作所)
西 本
 (株)ERISA は自社が持っていない AI を用いた脳 MRI 画像の解析技術を 持っており、この技術に期待したいです。当社は、アドバンスト・ヘルス ケアというコンセプトを掲げ、主力事業である分析計測分野と医療分野を 融合させたビジネス展開を考えています。このようなことから、(株)ERISA とのプロジェクトについては、当社の経営戦略の中でも重要なポジションに 位置づけています。

 

 

(株)ERISAへの出資に至った経緯や評価した点について教えて下さい
(株)島津製作所
西 本
 出資については、(株)ERISAの強みを評価しました。具体的には、(1)事業化能力、(2)アカデミアとの連携、(3)自治体との繋がり。これらの強みがあったことから、共同研究という形ではなく、より踏み込んだ出資という関係構築を行いました。
メディカル・ケア・サービス(株)
中 本
 (株)ERISAとは出資に至るまでに何度も面談しました。まず、優秀なメンバーが揃っていたこと。そして魅力的だったのはビジネスのスピードが速く、これが当社のフィーリングと合っていたことです。加えて、当社では介護事業においてデータを活用するという認識がそもそもありませんでした が、(株)ERISA からは明確な回答があり、未来が見えてくる話をすることができました。新しい技術で社会課題を解決していく経営理念も、当社の考えとリンクするところもあり、出資に至りました。
(株)デジタルガレージ
豊 原
 (株)ERISAは、当社が開催したアクセラレータ―・プログラムに参加しました。そこでは当社だけでなく、製薬メーカーを中心にライフサイエンス関係の会社に集まってもらい、(株)ERISAのビジネスプランについて審査を行い、その上で出資に至ったのが経緯です。当社のシード期における企業への投資判断は、経営者を見て決めます。仮に、今持っているプランがうまくいかなかったとしても、次のプランに切り替えていけるという強さなどもキャピタリストとしては見るポイントになります。ただ、シード期から入ると回収まで長くなります。想定外のことがあって、それでもなお投資してよかったと思えることが大事であり、ここはしっかり見させてもらいました。
とっとりキャピタル(株)
岡 村
 (株)ERISAが創業して間もないところから、この事業については話を聞いていました。目指すところも理解できたし、認知症がこれから多くなることで社会課題解決につながる事業になるものとも感じていました。一方、事業性について見えない点もあったため指摘したこともありましたが、(株)ERISAは短期間で事業会社とのアライアンスを取り付け、オープンイノベーションという形で事業を進めていくということでクリアになりました。また、(株)ERISAの人材の充実についても評価しました。スタートアップ企業では、エンジニアはいてもCFOなどの人材は少ないと言われているなか、これだけの人材がそろっているところはそうそうない。そして、これが地方からスタートしているという点も評価しました。
島根銀行
清 水
  出資を検討するにあたり、その判断のポイントとして、この技術がいかに優れており近い将来利益を生むことができるかについては、専門的見識を有していない金融機関の立場で判断することは難しかったです。そこで、やはり重視したのは、経営陣の見識やビジネススキル、有力な企業を巻き込む力。そして、最終的には、(株)ERISAの熱意というものが伝わったこともあり、出資に至りました。