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人材育成支援|レポート Human Resource Development Support

【開催報告】未来を実装するためのアイデアソン「Kamiari Hack! #02」

2020年04月02日

ロゴ

 

2020年2月15日(土)に日本庭園 由志園を会場として「Kamiari Hack! #02」を開催いたしました。

ITエンジニア、デザイナー、プランナーなど26名に参加いただき、日本庭園 由志園をフィールドに「10年先の集客を最大化する」をテーマとした新たな商品・サービス創出を目指すアイデアソンを開催しました。

Kamiari Hack! #02

KAMIARI HACK 02

日時

2020年2月15日(土)08:30 - 18:00

場所

日本庭園 由志園(〒690-1492 島根県松江市八束町波入1260-2) 

内容

インプット & フィールドワーク

KAMIARI HACK 02 由志園 代表01 

有限会社日本庭園 由志園の常務取締役・門脇竜也氏により、同社における取り組みと軌跡を語っていただくとともに現在に至るまでを紐解きました。

まず日本庭園 由志園は、開園してから比較的歴史が浅い観光庭園であることから、国指定重要文化財ではなく「保存」という価値が存在しないことに加えて、建築家・横内敏人氏の言葉から「和」という文化自体が古来からの文化と輸入された外国文化を統合・組み合わせて調和をなすことに着目したと語りました。

そこで近年では、日本庭園 由志園において「伝統的」であることに加えて「現代的」であることに価値を見出し、イルミネーションやプロジェクションマッピング、現代アートと日本庭園との融合を果たすイベント等を展開しています。

KAMIARI HACK 02 KAMIARI HACK 02 

その結果、日本国内の観光形態が団体旅行から個人旅行への移行に伴い、2011年には入園者数が一時的に落ち込んだものの、2019年には日本庭園 由志園における過去最高の入園者数を達成するまでになりました。

そして今回、門脇氏から「10年先の集客を最大化する」をテーマとした理由として、現状の取組内容や課題解決の延長線上に事業予測やビジョンを立てるのではなく、日本庭園 由志園のあるべき姿から逆算(バックキャスト)して、そこへ至るまでに足りないものは何か?という思考によってアイデアを生み出す必要性を語りました。

門脇氏から「10年先に集客を最大化する」というテーマについても、例えば短期間での集客を増やすなら広告宣伝費に注力するアイデアに終止しがちであり、本質的な課題解決には至らないことから設定したと説明します。続けて、現場の既成概念を打ち破るアイデアの必要性を感じていることを述べ、インプットが締めくくられました。

KAMIARI HACK 02 KAMIARI HACK 02 

その後、実際に参加者が日本庭園 由志園内を周遊するフィールドワークを行いました。
参加者自身の観光体験に加えて、来場者やスタッフの様子から、現地でしか得られない新たな気づきや学びを発見することができました。

アイデアソン(午前の部)

参加者26名が6チームに分かれて、テーマである「10年先の集客を最大化する」アイデアや、インプットやフィールドリサーチで得られた気づきをポストイットに書き出し、チームで共有しました。様々な参加者が気づきを共有することで、自分一人では気づけない視点が一気に集まります。グループ型のワークショップならではの体験となりました。

チーム内でポストイットに書かれた気づきを共有したら、次にグルーピングを行い、そのモノ・事象の本質を見極める作業を行います。そこから「起こりうる未来」を予測し、「日本庭園 由志園は、どうするべきか」という問いに対して、とるべき行動を考えるワークを行いました。

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アイデアソン(午後の部)

アイデアソン(午前の部)による未来洞察から、次は具体的なアイデアを創出・発展するワークを行いました。

アイデアを創出・発展する手法として、常識や定説・固定観念など、発想の妨げとなるバイアスを特定した上で、そのバイアス・概念をシフトすることによって、既存の枠組みを超えた全く新しい発想を得ようとする手法「構造シフト発想法(バイアス・ブレイク)」を用いて取り組みました。

アイデア創出・発展プロセス:

  • インプットで得られた内容(情報・気づき・価値観)を元に、テーマに関する多数のアイデアを生み出す
  • アイデア創出において、個人によるワークとチームによるブレインストーミングを繰り返し、本質的な価値を抽出、2軸図を用いてアイデア群を構造化する
  • アイデア群の構造を捉え、当初考えていたアイデアの価値を反転(=シフト)することで、新しい発想に転換・気づきを得る
  • 再び、シフトによって固定観念を打ち破るアイデアを考え、チームで議論を重ねてアイデアを具体化する

こうして具体化した最終アイデアを「事業性」「新規性」「消費者体験」といった評価基準を元に、各チームごとに審査員に対して発表を行いました。

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成果発表

最後に、テーマに沿って練り上げた最終アイデアを各チームに発表していただきました。
多くのチームが非日常・差別化を図るアイデアを創出する中、「構造シフト発想法」によりシフトすることで当初は考えもしなかったアイデアを発表、日本庭園 由志園をはじめとした審査員に評価していただきました。

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具体的には、日本庭園 由志園を日常的に利用するリハビリテーション・サービスや、来訪した際の写真や記録をアーカイヴ化して10年後に再訪しても振り返り・シェアできるサービスなどが発表されました。

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プレゼンテーション後、審査員による各チームのアイデアに対する講評を行い、審査員が選ぶ「審査員賞」と参加者が投票して選ぶ「オーディエンス賞」を表彰しました。

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まとめ

今回、多様な参加者が集まり、アイデアを出し合って、さらに発展する場となりました。
参加された方から、

  • 「自らのバイアスに気づき、ブレイクスルーすることができた」
  • 「自分一人では考えつかないアイデアを生み出すことができた」

といった感想をいただきました。

また、事前説明とワーク時間に不足があり、至らぬ点も多々あったかと思いますが、ご参加いただいた皆様に感謝を申し上げます。

ITOCでは、今後もアイデアを生み出す「場」と「機会」を創出し、アイデアの実現や新規事業の取り組みを支援してまいります。

KAMIARI HACK 02

お問い合わせ先

公益財団法人しまね産業振興財団 
しまねソフト研究開発センター(担当:渡部) 
Phone:0852-61-2225 
Email:itoc@s-itoc.jp 

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