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人材育成支援|レポート Human Resource Development Support

ITトレンド調査「ITPro EXPO 2017」(ファーエンドテクノロジー)

2017年03月31日

会場案内図

見学者:ファーエンドテクノロジー株式会社 石川 瑞希

見学展示会概要

今回私が見学したのは、 平成29年3月9日(木)〜10日(金)の2日間にわたりザ・プリンスパークタワー東京で開催されたITProEXPO 2017という展示会です。

ITProEXPO 2017は、

  • 「Cloud Days 東京 2017」
  • 「ビックデータEXPO 東京 2017」 
  • 「セキュリティ 東京 2017」 
  • 「モバイル&ウエアラブル 東京 2017」
  • 「IoT Japan 東京 2017」 
  • 「ワークスタイル変革 東京 2017」
  • 「デジタルマーケティング 東京 2017」 
  • 「FACTORY 2017 Spring 東京」   

という8つのイベントが一つの会場で同時開催されるため、クラウドを中心とした様々なジャンルに触れることができる展示会となっています。

本報告では、2日間ITPRoEXPOを見学した内容について報告します。

報告

展示会全体

展示会場は、クラウド・セキュリティ・Mobile&Wearable・ワークスタイル・IoT・ビックデータ・AI・デジタルマーケティングなど様々な分野に分かれおり、中でもクラウドに関する展示が大半を占めていました。

出展ゾーンとは別にセミナー会場がA〜Hまで個別の部屋に分かれて設けられ、同時に複数のセミナーが開かれていました。展示会場の何箇所かではシアターセッションが定期的に行われており、多くの参加者で賑わっていました。

出展企業のスタッフの方にイベントの印象を聞いたところ、「他のイベントと比較すると展示ブースは少し狭めで、どちらかというとセミナーに力を入れている様子」とのことでした。

参加者の傾向

平日だったこともあり服装はスーツの人が多く、年齢層は他のイベントと比べると高めに感じました。全体的に女性が少なく、出展側の女性の方が参加者の女性より多いのではないかと思うほどでした。

また、セミナーを聴く際にパソコンを開く人が少ないのも印象的でした。

業界トレンド

展示会場では、AWS(amazon web service)やMicrosoft Azureなどをはじめとしたパブリッククラウドサービスが大きく注目されていたように思います。ブースも広く、AWSに関するシアターセッションは会場内でも特に盛り上がっていた印象です。

セミナーではクラウドサービス活用の事例紹介を行うものが多く、実際に人気がありました。「イノベーション創出のためのクラウド活用とは」というセミナーの説明文で「クラウドはもはや導入すべきかどうかではなく、どのように活用すべきかという段階になった」というように書いてあったのですが、本当にそのような雰囲気でした。

また、「ワークスタイル変革 2017」を中心にリモートでの仕事を実現するためのシステムに関する展示も多く見られ、リモートで作業を円滑に行うためのシステム(Web会議・ドキュメント共有・チャット等)や、社外でもセキュリティを保つための端末管理システム(リモートコントロール・端末に情報を残さない仕組み)なども注目を集めていました。

注目したサービス

WinActor(株式会社エヌ・ティ・ティ・データ様)

「ビッグデータEXPO 東京 2017」の出展ブースで、RPAソリューション Windows操作ロボット「WinActor」、ルーティンワークをAIロボットが代行!というキャッチコピーで紹介されていました。今回RPA(Robotic Process Automation)と言う言葉を初めて知ったのですが、ルールエンジン・機械学習・人工知能などを活用して、ホワイトカラー業務を効率化(自動化)する仕組みのことだそうです。

展示会場ではデモとしてデータの転記や指示書の作成が自動で行われている様子を見せていただきました。Windows上で操作するあらゆる作業の自動実行が可能で、アプリケーションの操作や、マウス・ボタン操作を学習して自動で実行できるそうです。動作をさせるための設定は、操作を自動記録したり、画面上でフローチャートを変更することで作成できるので、使い勝手が良さそうだと感じました。
また、頂いた資料がWinActorの紹介から始まり、様々な利用例の紹介、設定方法の流れの説明など分かりやすくまとめてあり、内容を理解しやすかったです。

展示スタッフの方とお話ししたところ、画面上の動きは座標または画像の位置で判断することができるため、画面の大きさや位置などが変わっても問題なく使えるとのことでした。画像の動きを判断できるということを説明するデモとして、モグラが穴から出てくる映像に対して、モグラが出てきたらマウスカーソルが自動で動いてクリックするという内容のデモもありました。私が業務で使っているパソコンはMacなので使えないのが残念です。

anaguma(株式会社Active node様)

新しいプロジェクト管理ツール、ゲームでプロジェクト管理などという形で紹介されていました。「ワークスタイル変革 東京 2017」への出展で、会場ではスマートフォンでのデモを行っており、実際に動かしてみることができました。

プロジェクト管理といえばやはりプロジェクトの進捗や個人のタスクを管理するツールというのが思い浮かびましたが、anagumaでは少し違い、スタッフのスキル(技術)レベルの把握ができるツールとのことでした。

展示のスタッフの方にお話を聞いたところ、プロジェクト管理などのツールはまず社員が使ってくれない(登録してくれない)ことがあるため、ツールを使うモチベーションを高めるために、作業の入力をすることによってゲームが先に進む構成にしているとおっしゃっていました。

実際に触ってみたところ、画面自体はかなりシンプルで、使ったスキルと行ったアクション、作業時間を選択するとゲーム画面が表示されるといった流れでした。ゲームという名称ではありますが、実際は一つの画面にどんどんオブジェクトが増えていき、最終的には美しい画面が出来上がるといった形のシステムでした。

毎日どのようなスキル(技術)を使用して作業を行ったのかを記録することで、自分がどれだけそのスキルを使用してきたのか、どれだけスキルが溜まったのかなどを客観的に見ることができるので、作業者ファーストというキャッチコピーにぴったりだと思いました。

Reaction Monitor(エコノミックインデックス株式会社様)

「デジタルマーケティング東京 2017」での出展で、アクセス分析のサービスや、Twitter分析ツール、人工知能による施策の影響度を評価するサービスなどの、自社分析サービスを中心としたWebマーケティングを改善するソリューションについて紹介していらっしゃいました。

中でも私が気になったのは「Reaction Monitor」というTwitterの分析ツールです。
調査したいキーワードを軸に分析を行うことで、トレンド分析・成分分析・属性分析・リンク先分析/参照分析・ポジネガ分析など様々な種類の分析が行えるとのことです。
SNSの分析ツールは無料のものから有料のものまで様々ありますが、中でもUIがわかりやすく使いやすそうだと感じました。1キーワード2,000円で使えるとのことなので、金額的にも使いやすそうです。
また、分析だけでなく、戦略コンサルティングサービスや運用支援サービスなどもあり、Webマーケティング全体に対してサポートをしているとのことでした。

個人的には頂いたパンフレットのデザインがとても綺麗で、キャッチコピーも「潜在意識も見える化の時代へ」などと印象深かったです。

セミナー

「全産業のデジタル化」ケースステディ

<パネリスト>

株式会社トレタ CTO 増井 雄一郎氏

seak株式会社  CEO 栗田 紘氏

<モデレータ>

日経BPイノベーションICT研究所 上席研究員 菊池 隆裕氏

あらゆる産業がデジタル化すると言われる中で、実際に飲食業・農業のケースでIT化・デジタル化を進める中で様々な課題にどう取り組んだのかという議題のパネルセッションでした。

パネリストは飲食店向け予約・顧客台帳サービス「トレタ」などのサービスで知られる株式会社トレタの増井 雄一郎氏と、農業に関わる情報プラットフォームの構築などを行っているseak株式会社の栗田 紘氏で、実際にお二人がどのように他業種の課題を見つけて解決してきたかという内容について聞くことができました。

お話の中で、「大切なのはその業界のことをよく知っており、尚且つ現状に問題意識を持っている人(パートナー)を持つこと」というようにおっしゃっており、実際にお二人ともそういったパートナーとディスカッションを繰り返して今の形を作ったとのことでした。

システムを作る人が課題に思っていることは気付きやすく、解決するためのシステム作りも簡単ですが、そうでない飲食や農業などの業界の中で課題を見つけること・解決することの難しさを改めて感じることができました。

事例に見る、オープンソースのRedmineでプロジェクト管理を成功させる秘訣

<講師>

アジャイルウェア 代表取締役CEO 川端 光義 氏

アジャイルウェア 営業 水口 崇 氏

プロジェクト管理ソフトRedmineに関する内容で、ユーザーの事例を交えつつプロジェクト管理を成功するためにはどういうことが必要なのかを説明するセミナーでした。

実際にRedmineを使っているユーザー企業でどのようなことが課題になったのか、それをどう解決したのかという内容の紹介(UIの改善・設定/ルールの変更・ワークフローの単純化など)があり、改めて「便利に使ってもらうこと」の難しさを感じました。

セミナーの最後には質疑応答の時間もあり、参加者の方のプロジェクト管理に対する興味の強さを感じました。

所感

イベントに参加して

今回参加したイベントITPRoEXPO 2017は、当日申し込みができるものもありましたが、大半のセミナーが事前登録が必要で、人気のセミナーは早い段階で申し込みを締め切ったり、抽選となっていました。私は申し込みをするのが少し遅れてしまい、参加したいと思ったセミナーが既に締め切られてしまっていました。

また、当日は荷物やコートをクロークという場所に預けることができたのですが、受け取ったノベルティやパンフレットを預けて無計画に見学をしていると、最終的に帰りは大荷物になっていました。こういった点でも計画性が必要だと感じました。

展示スタッフの方と名刺交換の際に、「えっ、島根からですか?」という反応を受けることが多く、インパクトが強かったのか、二日目に同じブースに行っても顔を覚えていただいていることが多かったです。

全体的に見るとほとんどのブースでノベルティやパンフレットの配布がされていたのですが、配られるものがお米や歯ブラシセット、爪切り、ライト、インスタントコーヒーなどバラエティに富んでいたのも面白かったです。

総括

今回のITProEXPO 2017に参加したことで、なかなか触れることのない最新のサービスや、技術を見たりと、密度の高い時間を過ごすことができました。こういったイベントには出展側で参加することもあるため、対応の仕方などについても学びに繋がる点がありました。

また、今回は普段のイベント参加とは異なり、レポートを作成するという目的の元、普段はあまり触れることのない分野に関しても触れたり、説明員の方にも普段よりしっかりお話を聞くことができたりと良い経験が出来たと思います。

今後は、今回収集した情報の中で興味のあるものに関して継続して調べたり、業務に活かしたりと次に繋げていきたいと思います。

展示会場ビル遠景

ITOC記入情報

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