しまねソフト研究開発センターでは、株式会社テクノプロジェクトと「機械学習を用いたサポート業務改善のための問い合わせデータ分析」というテーマで共同研究を行いました。以下、この取り組みについて、当社からのレポートを紹介します。

1.共同研究概要

(1)共同研究の題目:サポート業務改善のための、問い合わせデータの分析
(2)共同研究の目的:問い合わせに対する回答の自動提案によるサポート要員の負荷低減
(3)共同研究の内容及び目標:問い合わせ内容の自動判別を実現するための調査・分析を行う

2.研究実施期間

平成30年11月~平成31年3月

3.共同研究の成果から得られたこと、分かったこと   

自社で管理している問い合わせデータには、大まかな分類として、Q&Aとしてカテゴライズ可能なデータと個別対応が必要なデータの2種類が存在することが分かった。以下のように段階を分けて学習を行うことで、問い合わせに対する回答の提案を高められないか検証を行った。

  • ステップ1
    機械学習でQ&Aとしてカテゴライズ可能なデータと個別対応が必要なデータの識別を行う。
    このステップにおける識別制度は90%以上あり、この結果を用いてステップ2に進んだ。
    またステップ1の作業において、一般的な文章を機械学習に適用するためのデータの解析方法を学んだ。

  • ステップ2
    Q&Aとしてカテゴライズ可能なデータを対象に、問い合わせ内容がどのカテゴリに分類できるかの検証を行った。カテゴリによって、学習用データの数に偏りがあり、学習データが少ないカテゴリでは予測精度の低下が現れた。予測精度を上げるためには、一定量の学習データが必要になることが分かった。

今回研究に利用した問い合わせデータは、サポートに送られてきたメール本文をそのまま利用したため、問い合わせとは関係のない文章も混在していた。また、同じメールの中に複数の問い合わせが存在する場合もあるなどもあり、機械学習に向けて事前の分類やクレンジングの必要性を強く感じた。

今後、高い精度機械学習結果を得るためには、問い合わせの記録を残す際に、問い合わせのカテゴリや補足の情報を登録するような業務プロセスを追加し、機械学習に利用できる特徴を増やす活動が重要だと感じた。

4.今後の事業方針等について

今回の研究では、サポートの負荷低減を目的とした機械学習の共同研究を実施させて頂きました。サポートの負荷低減は、喫緊の課題であるため、継続して取り組んでいきたいと思います。

一方、弊社が開発・運用しているCMSパッケージにおいて、ユーザーからの要望として、利用者に向けたAIチャットボットの導入(何をしてほしいは特に指定なし)が求められています。弊社が導入するユーザーの予算では、他社が提供するチャットボットサービスでは高額であるため、低予算で簡易的にチャットボットサービスが立ち上げられないか検討したいと考えており、その際にデータの立ち上げの選択肢として機械学習を利用できないかと考えています。

担当研究員からのコメント

しまねソフト研究開発センター 専門研究員 木村 忍

収集されたデータの多くが報告のためにオペレータの手作業で作成された情報であったことから、現場にすぐ適用できるような精度にはならないとの認識はあったものの、本共同研究を行ったことにより社内課題の解決や顧客ニーズを満たすために必要なデータの蓄積について考察するとても良い機会になったと感じています。

また、基本的な作業を既存のライブラリを用いて行ったことから、他のテーマにも適用できるものばかりであり、これをきっかけに社内にある様々なデータを対象に機械学習の利用に向けた取り組みもできるようになっている。

担当された方がもともとプログラマであることから、機械学習プログラミングについては非常に早く習得されておられました。しかし、必要なデータが足りず、それを入手するために手作業で作成された経験は、今後のデータを中心とした開発にとても役に立つと考えます。

お問合せ先

公益財団法人しまね産業振興財団 しまねソフト研究開発センター(担当:徳田)
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