しまねソフト研究開発センターでは、株式会社出雲東郷電機と「産業用スイッチ製造過程における誤判定低減」というテーマで共同研究を行いました。以下に取組の内容について紹介します。

共同研究概要

1.共同研究の題目
 機械学習を用いた産業用スイッチ製造過程における誤判定低減の検証

2.共同研究の目的
 製品組み立て中の画像検査において、良品を不良品として検出するαミスが多発していることから、機械学習によってαミスの発生を低減させることができるか検証する。

3.共同研究の内容及び目標
(1)検機械学習を用いて画像検査におけるαミスの検出
(2)機械学習による画像検査検出パラメータの最適化

研究実施期間

令和2年7月6日 ~ 令和2年12月31日

共同研究の成果から得られたこと、分かったこと

1.機械学習を用いた画像検査におけるαミスの検出

  • 画像検査において不良と判断する状態には6種類の不良モードがあり、部品の欠損や組み立て位置の誤りなど明らかに不良と判断することができる5種類は不良画像から93%の正答率で判別出来ることが確認できた。しかし、人間が介在せずに自動判定するには、まだ正答率が低い状態である。
  • 学習する画像枚数を増やすこと、分類判定方法や順序を変えること、画像の特徴ある一部を切り出すこと、など学習方法を改善することにより、さらに正答率が上がると予想される。

2.機械学習による画像検査検出パラメータの最適化

  • 本取り組みにおいて、検査機のハードウェアは変えずに、不良検出に設定するパラメータを分析し、最適な値を提案するという方法を検討したが、αミスかどうかを常に人が判断する作業が必要であり、人員の教育・不良識別の技能レベルの維持が不可欠となること、画像検査の結果をオンラインで取り出すことができずαミスが発生した後での対応となることから、この方法では現状と変わりがなく、不十分な事が分かった。

今後の事業方針等

共同研究を通じて、専門家の知見を借りながら画像分析に必要なデータを提供することで、画像から状態を識別するというAIの仕組みについて理解を深めることができた。共同研究の結果を踏まえ、外部のIT企業等との実用化に向けた検討を進めていきたい。

担当研究員からのコメント

しまねソフト研究開発センター 専門研究員 木村 忍

 AIを活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)について、データの取得と分析がかなり高精度でできるようになってきているのは事実ですが、その結果を実際に活用するためにはハードウェアへのフィードバックが必要になり、APIなどのインターフェースをもった機器でなければDI/O(デジタル入力/出力)の仕組みを開発するか、既存設備の改修が必要になります。
 今回はAIを活用した画像検査というテーマであり、このテーマの範囲では一定の成果を得ることができましたが、これだけでは現場に導入することができないという良い実例になったと感じます。既存設備の改修にはシーケンサや電気回路の知識が必要になることから、プログラミング以外に対応するためにも異業種の企業同士の協力が不可欠です。
 今回の共同研究の成果をもとに画像検査精度の向上や効率化が実現できれば、DXの良い事例になる内容でした。

お問い合わせ先

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